2023/02/27 07:35

こんにちは munigalleryです

もうすぐ雛祭りですね!雛人形は日本に昔から受け継がれる伝統工芸のひとつです。今回は雛人形の作り方やいろいろな種類の美しい雛人形をご紹介せます。



雛人形の歴史

まずはじめに、雛人形の歴史について触れたいと思います。雛人形にはどのようなルーツがあり現在の様な形になったのでしょうか?

昔から人形に人の厄を引き取ってもらうという風習がありました。古代中国の人形(ひとがた)に厄を移しお供えものをし、それを川に流して清めてもらうという行事を、陰陽五行の思想に基いて1年で最も不吉な日、3月3日に行われるようになるのが雛祭りの起源と言われています。そして子供の無病息災を祈るための人形として変化していきます。

主に貴族の間で受け継がれてきた雛祭りですが、江戸時代になると一般庶民の間にも浸透していきます。技術の向上により、精巧で、着物も豪華で華やかなものになります。昔は女の子の幸せ=幸せな結婚だったので、皇族のような結婚を人形で再現することで、その家の女の子も幸せな結婚ができるという願いが込められるようになりました。

雛人形の種類と作り方

雛人形には「衣裳着人形」と「木目込人形」の2種類があります。

「衣裳着人形」とは、人形と別に衣裳を作り着付けたもので、まず桐材を彫り頭の原形を作り、原形を基に顔部分と後頭部の木型を作ります。


桐の木を粉にしたものと、正麩糊を合わせて桐塑(とうそ)という粘土状の素材を作り、それを木型に押しつけて、顔と後頭部を合わせ、生地を取り出し乾燥させます。表面がなめらかになるようにやすりをかけ、ガラス製の目を入れ、顔の鼻やあごを胡粉と膠を混ぜたもので盛り上げるように形作ります。それを何度も塗り、乾燥させ、磨いて、唇に紅を差したら髪の毛を植え込み髪形に結います。

胴は稲藁をまとめたもので、まわりに綿などを巻きつけ、和紙を巻きつけて形を整えていきます。着物の布地を着付けて、胴に頭を付けて完成です。



「木目込人形」は桐のおがくずに正麩糊と水を混ぜた生地を胴体となる形の型に詰め、型からはずしてやすりできれいに補修したものに、胡粉と膠を混ぜたものを塗ります。こうすることで生地が崩れにくくなり、筋を彫りやすくなります。型紙に合わせて切った着物の布地を付けて胴部分は完成です。頭部分は石膏や桐塑の生地で、型で成形し、衣裳着人形と同じ工程で制作したものを胴体に取り付けて完成です。

飾りの意味

雛人形の飾りには、三人官女や嫁入り道具などの飾りもありますが、脇役としてもちゃんと意味のある飾りがあります。

緋毛氈(ひもうせん):雛人形の下に敷かれている赤い布で、寺院や神社でも絨毯の代わりに敷かれ、結婚式でも使用します。赤色の緋毛氈は魔除けと子供の健康の願いが込められています。

菱餅:赤、白、緑の色の餅を重ねた和菓子で、地域によっては2色から7色のものもあります。

赤は魔除け、緑は健康、白は清浄を表しています。


身近な伝統工芸である雛人形は様々な表情や形で受け継がれて、現在も親しまれています。生活の様式が変わって小さな飾りのものが好まれていますが、美しさは変わらず、今も大人から子供まで人々の心を楽しませていますね。