2023/03/17 09:41

こんにちは muni galleryです。

3月に入り急に暖かく、空気の香りや草花に変化が見られて、いよいよ春に移り変わっていく季節ですね。

今回は春らしい有名絵画を4点ご紹介したいと思います。


フィンセントファンゴッホ「花咲くアーモンドの木の枝」

1890年2月、ゴッホの弟テオに子供が生まれた時に制作をし始め、4月にテオに送った作品です。ゴッホはテオの息子誕生をとても喜んで、新しい生命の象徴としてアーモンドの木の枝を題材に選びました。輪郭線がはっきり描かれているのは日本の浮世絵の影響と言われています。

背景の青は春の空の優しい空気を感じる色で、ピンクがかった白の花は桜に似ていて可愛らしい雰囲気です。木の幹の躍動が生命力を感じます。

ゴッホの絵は大胆な色使いや激しく感情的に動く筆の跡が印象的ですが、この絵は優しさに溢れていますね。


クロードモネ 「春の頃」

モネは「春の頃」という作品を何点か残していますが、そのうちの1点で、1886年、花の咲いた果実の木の下に座る息子と娘を描いた作品です。

春の陽気と、2人を見つめるモネの気持ちが伝わってくるような、微笑ましく心温かくなる作品です。

モネは「印象派」として有名な画家です。 「印象派」とは、自然に対して自分が認識した感覚を表現する、という考えで描く画家です。自然の中の光や季節感をそのままに描くモネの作品は、温度や周りの音まで伝わってくるようです。


横山大観 「夜桜」(左隻)

こちらは六曲一双の屏風形式になっている作品。1930年ローマ日本美術展出品作で、日本の美術を発信したいという信念と情熱で描かれました。

かがり火に照らされた桜の、力強さと散りゆく儚さが、日本の美意識を表現しています。

横山大観は、輪郭線を意識された日本の絵画とは違い、「朦朧体」と呼ばれる色彩の違いで空間や光を表現する手法で富士山や桜など日本の美しさを描き続けた日本画家です。ぼかしの部分は、力強さの中に柔らかな春の空気を感じさせます。


東山魁夷 「花明かり」

1968年 京都の桜を描いた日本画です。日が暮れて辺りが静かになった時間の、月と花だけ。その巡り合わせた美しさ、豪華さを描いています。

東山魁夷の作品は、透明感のある色彩が特徴で、「東山ブルー」と呼ばれる青や緑を用いた風景画が有名です。この「花明かり」でも、背景の山と月の明かりに照らされた夕闇の色が、手前の桜の妖艶さを引き出していてとても美しく表現されています。


春を感じる有名絵画をご紹介しました。どれも前向きな気持ちや生命力を表現されていますね。

春は新しいスタートの季節です。緊張や不安もあると思いますが、元気をもらったり心安らぐ絵画に出会うのもおすすめです。