2022/11/18 09:57
こんにちは muni galleryです。
今回は現在個展「思念と予感」を開催中の作家、この睦生さんのご紹介と、作品について書きたいと思います。
プロフィール
1981年 埼玉県出身
東京藝術大卒業
東京藝術大学大学院美術研究科修了
個展では
2010 -時の墜ちる場所- GALERIE SOL(銀座)
2012 -時の狭間に残された場所- GALERIE SOL(銀座)
2018 -宙について- ギャラリー結(奄美)
2020 GalleryPepin企画 小島睦生展 ONVO SALON(浦和)
最近のグループ展では
2017 三次元→二次元 彫刻家によるドローイング GALERIE SOL(銀座)
2019 LIFE vol.2-#1展 GALERIE SOL(銀座)
3人展 小島睦生 樋口広一郎 juli Okano 展 ギャラリー結(奄美)
2020 ONVO STUDIO EXHIBITON vol.2 -for LIFE-(伊奈)
など。他にmuniのグループ展には何度も参加していただいています。
小島さんは大学では彫刻科で、木彫や粘土での作品を制作していましたが、3年ほど前から油絵を始め、布キャンバスではなくパネルに下地を塗って描く今のスタイルで絵画作品を制作しています。
「カゼノツボミ」
小島さん曰く、彫刻と絵画は空間へのアプローチが全く違うところが魅力で、彫刻はそこに存在するもので空間を支配し、絵画は平面の中に空間を作り上げるイメージなのだそうです。たしかに彫刻のほうは作品とそのまわりにある現実との関係性に面白さがあり、絵画のほうはフレームやキャンバスの中の世界に見ているほうが引き込まれていく感覚があります。
作品のテーマ
彫刻、絵画とどちらも作り分けている小島さんの作品には、時間、空間、宙、温度、意識など一貫したテーマがあり、全て同じ世界の中を表現しています。彫刻では器としてのイメージを形として表現したもの、絵画では器としての物体や人物を閉じ込めた別の世界の空間を表現していると思います。どちらも共通しているのは時間や温度や音の無い、空の世界。人物を描いてはいますが、そこに誰かが居るわけではなく、ただ人の形があるだけの不思議な世界です。
「mirror Ⅰ」:レリーフ
そういった意味でも絵画の表現は小島さんの内的世界を表現するのに合っていると思い、油絵を始めるきっかけとなったそうです。
今回の個展「思念と予感」では、すべて油絵やドローイングの絵画作品の展示となっています。その中で一番大きな作品、「涙のカルマ」をご紹介します。
この作品はP20号(53㎝×72.7㎝)と比較的大きな画面で、動物の頭骨を持った少女が中央に描かれています。
こちらの作品を描く上でこだわった点は、「静かであるということ」だそうです。
静かな空間を作るために試行錯誤されたとのことですが、少女の感情のない表情や、「何も無い」がどこまで続いているかわからない背景が、静けさや「無」を表現できていると思います。
小島睦生さんの作品は全て静かで、どこにも無い空間が広がっています。そこに寂さはなく、心地よい場所として感じることができるのが不思議です。
個展「思念と予感」は11月27日まで。