2022/12/14 09:46

こんにちは muni galleryです。

今回のテーマは「土人形」について。

土人形とは昔から節供物、縁起物として日本各地で作られてきた伝統工芸の一つです。

日本の人形の歴史や土人形の意味、そして現在muni galleryで 開催中の企画展示「カワイイ!!!」展で、とても小さく可愛いらしい土人形を展示していただいている田中泉さんの作品をご紹介したいと思います。


「サカナのりイヌ」田中泉


「人形の歴史」

現代の人形というと、プラスチックなどでできた着せ替え人形のような玩具や、毎年目にする雛人形などが馴染み深いですが、縄文時代に遡る人形のはじまりは信仰、祈りの対象で、土や木などを人の形に作って、病気や災害から身を守るための身代わりとして作られていました。

そして幸運や子宝を呼び寄せてくれる縁起物として、また子供の玩具として、だるまや赤べこ、こけしなど様々な形の人形が郷土玩具として各地で作られるようになっていきました。

「土人形とは?」

土人形は人形作りの原点といわれます。大地への畏怖が強くあった日本人はその土を使って厄除けのための人形を作りました。

その中で日本最古、全国の土人形の起源といわれているのが京都府の伏見人形です。奈良時代より前から埴輪、土器作りが独立した家業となり、その余技として土人形が生み出されたのです。

江戸時代になると土人形専門の人形屋ができ、京土産として売られていました。


その作り方は、型に粘土を詰めて型から外したものを天日で乾燥したあと窯で焼き、胡粉(貝殻を風化させたもの)で下塗りし、泥絵の具で彩色して仕上げます。

その形は民間信仰や縁起物がテーマとなっているのが特徴で、火難除けの布袋や狐、まんじゅう食いなど、色彩豊かで見た目にも愉快なものです。

「土人形作家 田中泉さん」

今回の企画展示「カワイイ!!!」展で作品を展示中の田中泉さんは、渥美半島で土人形を制作している作家さんです。

1995年生まれ

2021年 東京藝術大学美術学部工芸科陶芸 卒業

Instagram

https://instagram.com/izumi_mi_mi_?igshid=YmMyMTA2M2Y=

郷土玩具は職人の余技や農閑期の農家さんの副業として生まれたものというところから、実際に農家さんの家で農業を体験しながら制作をしています。


「トリ飼い」田中泉


制作工程は伏見人形と同じですが、自然の力を直に感じるため野焼きにこだわっていたり、胡粉の代わりに自分で食べた卵の殻をすり潰して膠と混ぜて使ってみたりと、伝統的なことや節供物に自分自身の身の周りの事や感じたことを反映して作品を制作しています。見た目はとにかくカワイイ!手のひらに乗るサイズでとても小さく、一つ一つ個性的で楽しい作品です。田中さんの活動、生活の様子はぜひInstagramをご覧ください。

「カワイイ!!!」展は12月25日まで。