2023/06/22 19:13

こんにちは muni galleryです。

今回は、現在開催中の金子牧さんの作品を参考に、絵画表現での「マチエール」について書きたいと思います。

「マチエール」とは、「材料」や「物質」という意味のフランス語で、英語だと「マテリアル」といいます。絵画では画面の肌合いや光沢の状態を指し、凹凸や光沢だけではなく、筆の動きや材質感から表現された表面のテクスチャを含めた言葉です。



絵画における「マチエール」の方法や材料はたくさんあって、人によってもやり方は様々です。簡単なものでいうと厚く盛られた絵の具や、画面の凹凸を出すモデリングペーストを使います。

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モデリングペーストにもいろいろな種類があり、粒子の粗いものわエッジのある凹凸が作れるものなど、厚く塗っても乾燥する時に割れないので下地として使われます。さらに砂や貝殻、布などを混ぜたりもします。


「湖」 金子牧

あとは、描いた絵の具をペインティングナイフで削って溝を作ったり、逆につるつるした平らな画面を作ることも「マチエール」です。その場合は下地をやすって平にし、絵の具も薄く薄く乗せていきます。

金子さんの作品は、前回の作品紹介でも書いたように、先にマチエールを作ります。それは何も意図せず自由に行い、偶然から生まれた形を自分のイメージと重ねながら絵の具をのせて、その時その時の作業を作品と会話するように進めていきます。

前回のブログ↓

https://www.munigallerycafeshop.site/blog/2023/06/14/082213



「一緒に行く」 金子牧

こちらの作品は、ゴツゴツした部分のマチエールと、横に流れるマチエールが岩と海の形にイメージして出来上がったそうです。

絵画表現にも完成のイメージに近づけるために計画的にマチエールを作るか、偶然性を楽しんで描くか、いろいろな制作工程がありますね。